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経営者に聞く

宿泊業の核「人」の課題に対応【オリックス・ホテルマネジメント】

宿泊業の核「人」の課題に対応【オリックス・ホテルマネジメント】

オリックス・ホテルマネジメント(東京都港区)では、昨年2022年に宿泊需要が順調に回復。取締役社長の似内隆晃氏は「9月までの上半期は旅館事業が業績を牽引したが、10月以降は出遅れていた都市部のホテル事業も本格的に回復してきた」と語る。

訪日外国人旅行者の受け入れも本格的に再開。「都市部のホテルにとっては朗報。海外エージェントに対するセールス活動も再開し、コロナ禍以前に交流のあった国・地域の教育機関等を通じた採用活動やインターンシップの受け入れ等に向けて、交流を再整備する準備を始めている」(似内氏)という。

業界全体は深刻な人手不足にある。同社が運営するホテル ユニバーサル ポートとホテル ユニバーサル ポート ヴィータ(大阪市此花区)でも、チェックイン前に手荷物を預けたいという宿泊客のニーズが多いことを踏まえて、ロッカールームを設置した。自動チェックイン機の導入準備も進める等、フロント業務の一部の自動化を進めている。

「当社の運営施設の全てでをおしなべて自動化・効率化できるわけではなく、こうした取り組みが馴染まない施設もある。現代の宿泊業は、程度の差こそあれ人材・スタッフによって成り立っているところが大きく、今後は労務管理全般のより明確な体系化が必要だと感じている。賃金の引上げ等も人手不足解消という面から検討を進めていく予定」と似内氏。

接客サービスも含めたホテル・旅館の価値を提供し、その対価として適正な宿泊料金を設定する、という観点で考えると、今後は客室稼働ばかりではなく、収益がきちんと取れているかどうか、指標で言えばRevPARをより重視する経営にシフトすべきだと考える」(似内氏)。