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経営者に聞く

旅館経営を支援する新事業「旅館経営総合研究所」【古屋旅館代表取締役社長 内田宗一郎氏】
創業220年を迎える老舗旅館、古屋旅館(静岡県熱海市)は 6月12日、旅館経営を支援する新事業「旅館経営総合研究所」を立ち上げた。長年の旅館経営と、時代の変化に対応しながら挑戦を重ねてきた経験から得た〝実証知〟を基に、集客、組織づくり、運営改善、人材採用・育成、DX推進、投資判断など、幅広い領域で宿泊事業者を支援する。
代表取締役社長の内田宗一郎氏に、事業立ち上げの狙いと今後の展望を聞いた。
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――なぜ今、旅館の経営支援事業を立ち上げたのか。
内田 若いころから、地元・熱海の旅館組合や全旅連、日本旅館協会などの青年部活動に参加し、同業者と経営上の悩みを共有しながら、経験に基づく事例やヒントを交換してきました。
青年部を卒業した今、経営について相談を受ける機会が増え、アドバイスが改善につながるケースも出てきました。そこで、こうした知見を体系化し、より多くの人に届けられないかと考えたことが出発点です。
もう一つの背景として「餅は餅屋」という考え方があります。
旅館経営には幅広い視点が求められます。当社は客室数26室の旅館ですが、私自身、人事、Webマーケティング、建築・インテリアデザイン、コピーライティングなど、様々な分野の専門家に依頼してきました。それぞれから得た学びは大きかった一方、優れた専門家ほど費用が高く、信頼できる相手を見つけること自体も容易ではありません。特に中小規模の旅館にとっては、こうしたサービスを利用しにくいという現実も感じていました。
そこで、自らの経営経験を生かし、無理のない価格帯で相談できる仕組みを作れるのではないかと考えました。契約期間は3カ月、6カ月、1年の3種類で、料金は月額10万円台からを想定しています。オンライン会議システムなどを活用し、全国の独立経営の旅館・ホテルを支援したいと考えています。
――自らの旅館経営で培った知見を、同業の宿泊事業者に還元する。
内田 既存のコンサルティングサービスは、業績の立て直しや課題解決など、いわゆる「ターンアラウンド型」が中心です。しかし、 日々の旅館経営で直面する課題は、人材採用や社員面談の進め方、投資判断、事業承継など多岐にわたり、その全てに対応できる専門家は多くありません。
独立経営の旅館・ホテルの経営者は、あらゆる領域に目を配る必要があり、精神的な負担も大きいものです。客室、大浴場、食事、接客など、管理すべき領域は幅広く、休日も少ない中で、厳しい評価を受けることもあります。
そうした経営者にとって、同じ立場を経験した人から「大丈夫ですよ」と声を掛けられることにも意味があると思います。経営上の助言に加えて、メンターのような役割も担えると思います。
私自身、若いころは実際に旅館経営を経験した人からアドバイスや意見をもらいたいと思っていました。今も同じような思いを抱いている同業の経営者はいるはずです。同業者のコミュニティも情報交換の貴重な場ですが、一対一でじっくり向き合い、相談できる機会も必要と考え、事業として取り組むことにしました。
(国際ホテル旅館2026年10月20日号から抜粋)
