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独自ブランド「THE KNOT」ホテルに新しい価値を【いちご地所】

独自ブランド「THE KNOT」ホテルに新しい価値を【いちご地所】

築年数が経過した建物や遊休地を、様々な技術・ノウハウを使って有効活用し、新しい価値を創造する「心築(しんちく)」事業を手掛けるいちご地所(東京都千代田区)。開業から数10年が経過した都市型のフルサービスホテルや、再開発によって価値向上が見込める土地・建物などを対象に、同社独自のライフスタイルブランド「THE KNOT」にリブランドまたは新規開業する試みを進めている。

2017年末、横浜駅近くに1号店の「THE KNOT YOKOHAMA」が、2018年夏には東京・新宿で「THE KNOT TOKYO Shinjuku」がオープンした。

細野康英社長は「フルサービスホテルは、バブル経済の時期を中心に主要駅前や繁華街の近くなどに造られ、それぞれのエリアの『グランドホテル』として機能したが、不動産経営の変遷とともにホテルの経営・運営手法も変わるなか、開業時の事業モデルや過剰投資を引きずったまま大きな負債を抱えたり、逆にコストセーブを進めた結果、差別化や収益力強化が図れなかったりといった課題を抱えるところがある」と指摘する。

ライフスタイルホテルとした理由として、THE KNOT推進室長の清水みゆき氏は「特にミレニアル世代(1981年から1995年ごろにかけて誕生したデジタルネイティブ世代)が利用するホテルの企画が、持続的な不動産の価値向上やホテルの差別化に重要な意味を持つ。私たちが取り組むホテルは、好立地・好物件ながら何らかの経営課題を抱えている、裏を返せば課題解決することで価値向上の可能性がある。コンセプトやビジョンを明確にして、ホテル利用客はもちろん、スタッフや取引先各社の意識の変化を促すことでブランディングにも繋がる」と語る。

同社は今後、現在営業している2ホテルと同様に既存ホテルのリブランドと、新築による出店、両方の展開を想定。現在は札幌と広島で2ホテルの新築出店計画を進めている。