TOP INTERVIEW
経営者に聞く

2つの異なるブランドを統括【ベルスター東京/ホテルグルーヴ新宿総支配人 鳥井武志氏】
この度、4月1日付で鳥井武志氏が東急歌舞伎町タワー(東京都新宿区)内のラグジュアリーホテルBELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel(ベルスター東京)と、ライフスタイルホテルHOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel(ホテルグルーヴ新宿)の総支配人に就任した。鳥井氏は東急ホテルズで料飲部門を中心にキャリアを重ね、2020年に渋谷エクセルホテル東急総支配人に就任。2021年から2ホテルの開業準備室へ異動し、料飲部門を中心に運営体制を構築、開業後は副総支配人としてホテル運営全般を統括してきた。両ホテルのトップとして新たな舵取りを担う。
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――渋谷エクセルホテル東急では、総支配人就任からわずか1週間後に緊急事態宣言が発令された。
鳥井 ホテルの開業20周年や東京オリンピック・パラリンピック関連の宿泊対応など、先の見えない環境でのトップマネジメントを経験しました。
翌年に異動した当ホテルの開業準備室では、主に料飲施設の立ち上げを一から担当しました。当初はホテル全体のコンセプトこそ決まっていたものの、各ホテルのレストラン・バーの名称や商品、サービス内容は白紙に近い状態で、それぞれの世界観を一から構築することに携わりました。
東急歌舞伎町タワーは、ホテルだけでなく劇場やライブホール、映画館など、多彩なエンターテインメント施設が一体となっています。さらに、一つの建物内に異なるブランドコンセプトを持つ二つのホテルが共存します。これらの点は2ホテルの唯一無二の価値だと捉えています。
ホテルグルーヴ新宿は、街とのつながりやカルチャーを楽しむライフスタイルホテル。一方、ベルスター東京は、街の喧騒から切り離された静寂と上質な時間を提供するラグジュアリーホテルです。この対照的なブランドコンセプトと個性を、それぞれに最大限発揮できるホテル運営を目指しています。
――歌舞伎町のイメージも変わりつつある。
鳥井 開業前は、ネガティブなイメージが特に国内で根強く残っていると感じた一方、外国人旅行者は日本特有の様々なエンターテインメントを感じられるエキサイティングなエリアという好意的な印象を抱いていることが分かってきました。
ホテルの開業後は、街を訪れる客層にも変化が見られるようになりました。当初、宿泊客層は、若いカップル・夫婦をメインターゲットにしていましたが、いざ開業すると、欧米を中心にファミリー層の利用が想像以上に多いです。小さな子どもを連れた家族が、ベビーカーを押して歌舞伎町を歩く姿も珍しくなくなり、街全体にも良い変化が生まれていると感じています。
――パンパシフィックホテルズグループとの提携を活用したグローバル展開を推進する。
鳥井 現在、宿泊客の外国人客比率は約9割に達しています。米国を中心に、欧州や豪州のほか、シンガポール、中国、香港、マレーシア、タイなどアジア各国からの集客も着実に拡大しています。
世界情勢が大きく変化する時代だからこそ、特定市場への依存を避けることを重視しています。海外の商談会に積極的に参加するほか、市場分析を継続し、地域ごとの需要変化を見極めながら営業活動を展開しています。同時に、ホテルの現場では高品質なサービスを磨き続けています。
一方、国内市場の開拓にも力を入れます。歌舞伎町に対する先入観を払拭するためには、ホテルの体験価値を発信することが重要と考え、館内のレストラン・バーをはじめ、劇場やライブ施設、映画館との連携、公演とのタイアップやイベント利用など、東急歌舞伎町タワーならではの魅力を積極的に打ち出していきたいと思います。
(国際ホテル旅館2026年8月20日号から抜粋)
