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- 24.07.05
第6回 レベニューマネジメントのリカバリー①【令和の「レベニューマネジメント」新常識】
レベニューマネジメントとは、現時点で入っている予約=オンハンドと、同じ曜日や特定日等における直近の予約の入り方、あるいは近隣ホテルの価格やイベントなどを参考に、需要予測して価格を決定すること、と考えられています。
宿泊業界にレベニューマネジメントの概念が普及して20年近くが経過し、手法には様々な流儀が生まれ、ツールも多様になっています。ただ、あくまでも未来を予測するものですから、目論見が外れてしまうことも珍しくありません。こうした事態において、如何にしてリカバリーするのかが大きな課題となります。
基本的にインバウンドの予約リードタイムは長い傾向にあります。仮に、ある日の客室稼働率がインバウンド予約で60日前に70%埋まっていたとします。このような状況なら「あと60日もあるのだから、残りの30%分はもっと高く売れるだろう」と強気に行く考え方もあるのではないでしょうか。
しかし、インバウンド予約はキャンセル率が高く、70%の予約がいつの間にか50%に落ちてしまうこともあります。また、前回もこの稿で触れましたが、特にインバウンド比率の高い地域は宿泊料金が高いというイメージが根付き、国内客が寄り付かなくなりつつあります。
このため、インバウンドを想定して強気の価格設定をしていると国内需要が拾えず、ほとんどの地域で国内客の存在がなければレベニューマネジメントの目指す数値には届かないはずです。
これは、宿泊業のレベニューマネジメントに携わる方なら分かりきっていることですし、インバウンドの中にもリードタイムの短い国・地域があるので、その集客などでリカバリーの策を講じているとは思います。
ここ最近、観光業で「二重価格」が話題になっていますが、円安もあってインバウンド客と国内客の価格コンシャスの乖離はいっそう広がっています。
これが顕在化しているのが、図のようなブッキングカーブです。インバウンド向けには高く販売できますが、予約リードタイムが早いです。一方、国内客やリピーターはリードタイムが短い代わりにインバウンド向けの価格では折り合えず、忌避されてしまいます。仮に予約状況が70%から50%に下がっても、インバウンド向けの価格で国内客やリピーターが予約することにはならないでしょう。
しかし、インバウンドを想定して高く販売して予約が埋まった後に、価格を落としていけば、インバウンド客もいったんキャンセルして安い価格で予約を取り直す、という動きに出る可能性もあります。
こうした事態はコロナ禍前にも発生していました。早く販売した方が高く、後から安くなるのだとしたら、当然ですが、宿泊客は「どのタイミングで買えばいいのか」が分からなくなります。こうした事態の積み重ねが宿泊料金への不信感に繋がり、キャンセルチャージが発生する前のタイミングで再度サイトをチェックし、安くなっていたら予約を取り直す、という行動が増えたのです。
こうした事態を含めて、レベニューマネジメントが予測した通りの予約状況にならなかった場合のリカバリーをどうするのか、今後、この稿で解説します。
【令和の「レベニューマネジメント」新常識】 小林武嗣氏(C&RM社長)
(国際ホテル旅館2024年7月5日号)
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