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  • 24.12.20

第14回 ホスピタリティサービス構築、手ぶら観光DXのススメ【視点を増やして観光DXを加速】

早いもので今年も年の瀬を迎え、読者の皆さんもお忙しくされていると思います。今年2024 年はコロナ禍前を上回るデータが発表されるなど、旅行市場の好調さを感じられる一方、オーバーツーリズムなどの課題も浮き彫りになりました。

空港や駅などで旅行者の手荷物を預かりホテルなどの滞在先に配送する「手ぶら観光サービス」は、2020 東京オリンピックの開催決定を機に注目されました。今、訪日外国人旅行者の増加や国内旅行者の需要回復が進むにつれて、公共交通機関にキャリーケースなどの大型手荷物を持ち込む旅行者が増えて他の乗客が使いづらくなったとか、レンタカー利用者の増加によって道路渋滞が深刻になったなど、様々な問題が現れています。

課題を解決する方法の一つとして、手ぶら観光サービスが再び脚光を浴びています。こうしたサービスの運用において重要なのは、継続的にサービスを提供することです。

沖縄県は観光産業を基幹としており、様々な〝観光サービス創出〟の取り組みが進んでいます。私たちタップが運営するホスピタリティサービス工学研究所では、タップのホテルシステムと沖縄ヤマト運輸の荷物発送システムが連携し、旅行者が手荷物を空港で預けると、宿泊先のホテルでのチェックインが完了し、旅行者がホテルに到着したら、フロントに並ぶことなくルームキーを受取るだけで客室に向かうことができます。

 

この仕組みは、ホテルシステム(PMS)に宿泊者の予約情報があるからこそ成り立ちます。インバウンドにも対応可能で、アプリによるチェックインはパスポートにも対応しています。チェックイン情報を取得できれば、客室清掃業務の効率化にも繋げられます。預かった手荷物は、システムロッカーやロボットサービスなどと連携すれば客室に運び入れるデリバリーサービスも効率化できます。

 

こうした仕組み・サービスを確立できれば、人手不足による課題解決にも寄与することは明白です。さらに「日本を旅行する時は駅や空港で荷物を預ける」という行動が定着すれば、オーバーツーリズムによる弊害の解消にも繋がるということが重要です。さらに言えば、こうした取り組みが鉄道だけでなく新幹線や空路など、あらゆる公共交通機関にも展開されることが望ましいです。

「旅が便利になる」ことは、局所的な対策・取り組みだけでは成り立ちません。旅行の様々なシーンで必要とされること、課題になりうることを考える視点が必要であると筆者は考えます。

(国際ホテル旅館2024年12月20日号より抜粋)