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- 25.06.06
第5回 夏休みの予測と対策【令和のレベニューマネジメント新常識】
大阪・関西万博の後押しを受けて、関西地区は宿泊予約が活況なようです。
これから夏休みシーズンの予約が入ってくると思いますが、大阪市内はかなり早くからインバウンドの予約が入っており、好調とみて高値に設定している施設が多いようです。
反面、夏休みの予約が思うように入らず、不安を感じている地域や施設も見受けられます。「例年であれば、もう少し予約が入っているはず」といった声も聞かれます。
6月1日時点では国内旅行需要が伸び悩んでいるとの報道もあります。これは実質賃金の減少による消費意欲の冷え込みに加えて、報道などで定型句のように「ホテルが高い」と言われていることも一因かもしれません。このような局面で、レベニューマネジメントの実務ではどのような判断が求められるのでしょうか。
インバウンド需要が強い地域とそうでない地域で、その判断は変わると思いますが、まず、強い地域では予約の50%以上が外国人客で占められていることも珍しくありません。ただ、リードタイム(予約から宿泊日までの日数)が60日を切るとキャンセルが増える傾向にあり、以降、オンハンド(現時点での予約状況)が低下しても、国内客でリカバリーすることが難しいかもしれません。インバウンド向けに価格が高騰し、国内客の予算感を超えているからです。
とはいえ、今は人手不足でもあり、そこそこの稼働率で高いADRを維持できている状況は、必ずしも悪いわけではありません。
問題は、オーナーから高い売上水準を求められている場合です。オンハンドが高く進捗すれば、それに応じて価格を引き上げるのがレベニューマネジメントの王道ですが、今はインバウンドのキャンセル率の高さと国内客との間にある価格ギャップを意識する必要があります。
一方、インバウンド需要が少ない地域では国内客を中心に集客することになりますが、国内観光需要の低下というマクロな影響を頭に入れておく必要があります。
個人的には夏休みの観光需要がそこまで低いとも思えません。今年のゴールデンウィークは日並びの悪さから苦戦した施設も多かったと思いますが、それでも、5月3日以降の宿泊需要は最終的にまずまずの結果でした。
中には、価格を下げて稼働を確保できたと考えているケースもあるかもしれません。私はコンサルティング業務の中で以下のような表を用いて、価格調整ではなくOTAでの露出強化や早期のキャンペーン実施、さらにはメーリングリストを活用した販促による需要喚起を推奨してきました。
その結果、5月3日〜6日は例年通りの価格設定でもほぼ満室を実現しました(5月5日はやや弱含みでしたが)。対象の施設も当初は不安を抱えていましたが、こうした資料・データが、安易な値下げへの誘惑を断ち切る一助となったと感じています。
このようなサポートこそがコンサルタントの重要な役割です。孤独な意思決定のプレッシャーは、時に弱気な判断を引き起こしますが、対話を通じて難局をともに乗り越えることで自信が芽生えることに繋がります。
今年の夏休みも例年と違う動きを見せる可能性が高く、早め早めの対応が重要になりそうです。特にメーリングリストによるアプローチはお金がかかるものではないので、自社リストを活用してリピーターに「特別プラン」を提示することを推奨します。
小林武嗣氏(C&RM社長)
(国際ホテル旅館2025年6月5日号)
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