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- 24.12.06
第11回 レベニューマネジメント 旅館への適用【令和の「レベニューマネジメント」新常識】
旅館業にもレベニューマネジメントを適用するために、以下を大方針とすることを勧めます。
① 85点で十分。通年で前年比5%~10%の売上アップを目指す
② 「取れる日はきちんと取る」イメージ。無謀なチャレンジは不要
③ 高稼働日に高く設定することも大事だが、中~低稼働日を売ることをより重視する
これらについて以下解説します。
【①85点で十分。通年で前年比5%~10%の売上アップを目指す】
スタッフの人数が少なく専門性の高い人材もいない旅館では、専任のレベニューマネージャーを雇う余裕はありません。
しかし、従来のように「隣の旅館の価格を見て料金を決める」方法だと、根拠なく設定された価格に引っ張られて結果的に損をしてしまいかねません。きちんとした需要予測に基づいた販売が重要です。
【②取れる日はきちんと取るイメージ。無謀なチャレンジは不要】
宿泊予約が集中する時期など、市場全体で客室在庫が枯渇するような日はしっかりとした価格で販売すべきですが、逆に予約数が微妙な日については従来と同じで十分です。ただ、低稼働日に稼働を増やそうとして過度に安価に設定してはいけません。
【③高稼働日に高く設定することも大事だが、中~低稼働日を売ることをより重視する】
高稼働日の宿泊料金を高く設定することは、従来から行われていたと思います。ただ、あまりに高く設定するとOTAなどの口コミ評価が悪くなる危険もあります。特に人手不足が深刻な中では高稼働の日ほどスタッフの手が回らず、宿泊客が不満を抱きやすい悪循環が起きかねません。
その対策として、逆に中~低稼働日の集客を重視し、適正な販売と接客サービスを行うことで宿泊客の満足度を高めます。
私が特に重視するのは③の施策です。
皆さんがイメージする一般的なレベニューマネジメントは、価格の操作、即ちダイナミックプライシングで高稼働日に高く売ることが主目的かと思います。そうではなく、宿泊需要が低い日に稼働を上げる方が業績の底上げに繋がります。
具体的な手段の一つにダイレクトメールが挙げられます。見込み客に「この日はお得に泊まれます」と発信するのです。普段お使いの予約エンジンには、過去の宿泊予約者のメールアドレスが集積していると思います。この情報を活用するのです。
この手段の利点は「多少外れても何の損もない」ことです。価格設定をミスすると明らかに損害となりますが、メールを送信するだけなら何の損害にもならないからです。
需要予測にはレベニューマネジメントシステムが必要ですが、当社が開発したシステムでは周囲の旅館の販売数などの情報に基づいて需要を判断することもできます。さきほど「価格決定は、周囲の旅館の状況で判断するべきではない」と書きました。しかし、メールを送信するかどうかの判断には周囲の状況を参考にしても問題ありません。その上で、予め文言を定めておいたメールを一斉送信するのです。
送信対象数にもよりますが、仮に1%のレスポンスだとしても1000件送信すれば10部屋の予約が入ることになります。非常に強力な武器になることでしょう。
小林武嗣氏(C&RM社長)
(国際ホテル旅館2024年12月5日号)
◇前の投稿◇第10回 旅館のレベニューマネジメント
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