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- 26.10.08
◆特別企画◆ 「捨てない」「燃やさない」東横インが進めるホテルアメニティの循環型リサイクル【マイン】
東横イン(東京都大田区)は昨年、国産竹を活用したバイオマス原料の歯ブラシ・コームを採用。さらに、使用済み製品を回収し、再び製品原料として活用する「循環型リサイクル」を進めている。国内で運営する約7万5000室への導入・運用は大掛かりなプロジェクトだが、回収率は約50%と高水準を実現している。導入の狙いと、製品および回収を支援するマイン(福岡県遠賀郡)との連携を進めた経緯について、東横イン執行役施設企画部長の松岡好美氏と施設企画部の佃彩子氏、マイン東京支店長の永石弘樹氏に聞いた。
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――国産竹を活用したバイオマス原料の歯ブラシとコームを採用した経緯は。
松岡 具体的に検討するきっかけとなったのが、2022年4月に施行された「プラスチック資源循環促進法」です。法施行に先立つ2021年からプラスチック製アメニティの回収・リサイクルに着手しましたが、素材や処理方法などについて様々な選択肢を検討していました。
マインさんには、以前から当社に歯ブラシを納品していただき、長年のお付き合いがありました。「環境に配慮したアメニティはないか」と相談したところ、国産竹を使用した歯ブラシの開発と、使用後の製品を回収・再資源化する仕組みづくりを進めていることを知りました。
――マインの製品・取り組みに注目した理由は。
松岡 使用済み製品を回収し、再び再資源化する「循環型リサイクル」の仕組みを構築しようとしていたことです。代替素材を使った製品は様々なものがありますが、使用後に通常ごみとして焼却すれば二酸化炭素が排出され、本当の意味で環境負荷を低減しているのか、という問題意識がありました。回収からリサイクル、再製品化までを含めた「循環」の仕組みに、強く共感しました。
さらに、竹の活用が「放置竹林」という地域課題の解決につながる点も評価しました。
永石 竹は成長が非常に速く、日本各地に存在する身近な資源です。ただ、竹林が適切に管理されなければ、周囲の樹木の成長を妨げ、地盤を支える力が弱くなることから土砂災害のリスクも高まると言われています。
竹の適切な伐採・管理を促し、有効活用することは、資源の安定供給に加え、地域課題の解決という面でも意義があります。
――再資源化には苦労もあった。
永石 特に難しかったのが、竹を粉砕してバイオマスペレットに加工し、そこから製品化する工程でした。竹は加工に手間がかかるうえ、製品としての十分な強度の確保や、再製品化した際の品質維持にも配慮しなければなりません。試行錯誤を重ねながら技術を確立しました。
松岡 当社の定例会議でも、マインさんの取り組みについて計画段階から話題に挙がっており、役員一同、完成を心待ちにしていました。
――使用済み歯ブラシ・コームはどのように回収しているか。
松岡 宿泊客の協力が欠かせません。各客室のバスルームに専用の回収ボックスを設置し、使用済みの製品を入れてもらうようお願いしています。
佃 回収ボックスは目につきやすい場所に設置し、歯ブラシやコームのイラストを入れるなど、宿泊客に分かりやすく伝えることを意識しました。
また、回収量などのデータを提供いただき、客室テレビやロビーのサイネージ、Webサイトなどで回収実績を紹介していました。こうした発信を通じて「東横INNはリサイクル活動に力を入れている」という意識を根付かせていきたいと考えています。
永石 東横インの回収率は現在、全体平均で約50%とかなり高い水準です。現場の皆さんが目的を理解し、主体的に取り組んでいることも大きいと思います。
松岡 実際にホテルの現場へ行くと、スタッフが回収した歯ブラシを一つひとつ仕分けし、洗浄、乾燥、箱詰めまでしている姿を見ることができます。単に「リサイクルする」と掲げるだけではなく、一人ひとりが実際に手を動かしている。そこまでやって初めて循環の仕組みが成り立つのだと実感し、感動しました。
――東横インでは、ほかにも様々な持続可能な取り組みを進めている。
松岡 旧ホテリエ制服をロビーに設置している時計や荷物台、キャッシュトレーなどの原料に活用しています。今回のアメニティが特別というわけではなく、「ホテルで使われたものを、できるだけ再び活用する」という考え方の延長線上にあります。
――今後、取り組みの成果をどのように発展させていくか。
松岡 日々の運営における省エネルギーや資源の有効活用を進め、安心して旅を続けられる社会の実現をめざしています。お客さまや協力企業の皆さまとともに、資源の有効活用やごみ廃棄量の削減に努めていきます。
◆2025年度実績◆
【総回収量】73285.484kg
【CO₂削減効果】・1本当りの削減量 24.9g-CO2
・1本当りの削減率 48.5%
※PP100%製を焼却処分した場合と比較
(国際ホテル旅館2026年10月5日号)
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